ジュエリー職人のクリエイターT(@Creator_Tweet)です。プロフィールはこちら
ジュエリー・アクセサリーをハンドメイドされる方はよく丸カン(丸い輪っか)を閉じる機会が多いと思います。
「丸カンの開け方と閉じ方ってどうやるの?」
「丸カン閉じがうまくいかない、コツを知りたい」
といった方に向けてお伝えしていきます。
また、他では語られていない現場の実際や、細かい機微など丸カン・丸カン閉じについてもお話していきたいと思います。
丸カンとは
丸カン(マルカン、丸鐶)は、他の金具やパーツを連結する際などに、そのつなぎ役として使用する、丸型の金具。
ピアスをぶら下げる時や、ペンダントトップの動くところ、チェーンの接続など、アクセサリー・ジュエリー作りにおいて色々な場面で使います。
丸カンの開閉に使うもの
主にヤットコを使います。
丸カン閉じの場合は、両手で丸カンを持って作業するため2個必要になります。
僕が1番オススメするヤットコはこちらの記事でまとめています。
T こんにちは! ジュエリー職人のTです。プロフィールはこちら 「ヤットコって何?」「ヤットコっていろいろ種類があるみたいだけどどれを選べいいの?」 ハンドメイドのジュエリー・アクセサリー作りにはたくさんの道具が必要となります。そんな[…]
丸カンをつかむ場所
閉じる時に真横あたりを持つのではなく、切れ目の近くにヤットコの先端が来るようにしてつかみます。
ヤットコを2つ持って上記のところを八の字になるようなイメージです。
それによって無駄なく力を伝える→傷がつきにくいにつながります。
この時、力を入れ過ぎるとヤットコの跡がついてしまい、傷ついてしまいます。メッキのかかっている丸カンなどはメッキが取れる原因となってしまいます。
体感のイメージとしては洗濯バサミで挟むときの力、またはもうちょい強いくらいの力を基本にすると良いです。
丸カンを開閉する向き
基本は図の右の感じで開閉します。
図の左のやり方ですと真円にもどすのに苦労します。
しかし、左の開け方じゃないとダメな時があります。
そんな時は超硬のヘラで内径部分にさして広げるのを良くやりますが、超硬のヘラを買わなくちゃならなくなります。
ですので、サイズが合えばですが目打ちや竹串など、押し広げられるもので代用してください。
丸カンを取り付ける流れ
1.丸カンを広げる
見やすくするため何も通しておりませんが、イメージです。
2.いったん、逆方向へ通過
これが非常に重要です。
市販されているものは耐久性と安全性の観点から、地金が硬い締まった状態の丸カンになります。
締まった地金はバネ性があるので、一発でピッタリと合わすことができません。
なので、いったんピッタリのとこを通過して戻すようにするとピッタリ合わすことができます。
けど、ピッタリといかなかったら数回くらいなら繰返しても大丈夫です。
あとで後述しますが、できるだけ繰返さない方が良いです。
(ピッタリ何回言うんじゃ。笑)
3.合わせる、完成!
どのくらいのピッタリ度か?
ロー付け(溶接の様な感じ)をしない場合は図の左のように合わせます。
ロー付けをする場合はロー材が流れる道を確保しないといけないので、ほんのわずか開けておきます。
0.18mmくらいです。
すごーーく細かい話ですが、1mmを100分割して18%ぐらいの幅です。
丸カンを何度も開閉しない
なんども開閉をすると力のかかる部分が硬くなり(金属疲労)、地金がどんどん締まってきます。
最終的にはねじ切れて、力のかかった部分から「折れる・とれる」といったことが起こります。
また、メッキのかかった丸カンを何度も開閉すると、質の悪いメッキ、母材とメッキの相性が悪い場合などはメッキが浮いてきてパラパラととれてきてしまうことがあります。
じゃあ何回、開閉できるの?
先程申しました、「どんどん地金が締まる」ので手ごたえとしてはどんどん開閉に抵抗感を感じてきます。
「金属の種類による、金属がなまっているか等状態によります。」が答えです。
ですが、それだと元も子もないので参考までに下記の場合、
●線引き後の地金が締まった状態
●直径0.5ミリの線で内径1.4くらい
●2mm幅くらいの動かし度
73回くらいで折れました。
太さが違ってもK18だとそのくらいで折れました。
普段使う丸カンで折れるまでテストするのをおすすめします。
丸カンのトラブル
丸カンが歪んだ・その1
外方向に歪んだ場合は図のように変形させます。
丸カンが歪んだ・その2
内側に歪んだ場合は丸カンを開閉する向きにもありましたが、超硬のヘラや竹串など径に合いそうな代用品で、押し広げて調整します。
HARP(ハープ)製 細密工芸ヤットコ 精密ヤットコ 6番 TN-6 丸角型(R/S)
またはこのようなヤットコ、丸い方を内径にし、傷つかない様にして変形させるのもよいです。
さいごに
▼すべてをまとめましたので、よかったらチェックしてみてください!
▼あとそもそも丸カン自体の作り方はこちら
こんにちは! ジュエリー職人のクリエイターT(@Creator_Tweet)です。プロフィールはこちら 「丸カンの作り方ってどうやるの?」「簡単な作り方と正確な作り方を知りたい」 といった方に向けて、現場の実際や機微をお伝え[…]
いかがだったでしょうか?
力加減がむずかしかったりして、うまくいかないこともあるかもしれません。
お話したちょっとしたコツを掴みつつ、素敵な作品作りをしてくださいね!