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【永久保存版】ダイヤ彫り留め設定

T
こんにちは!

ジュエリー職人のT(@Creator_Tweet)です!プロフィールはこちら

ここでのガイダンスは、ダイヤを彫り留めする前までの処理や設定について、現場の実際機微をまとめました。

小さい色石などを留める時も応用できますが、色石はごろってたり(パビリオンが厚い)して調整が適宜必要です。

▼先日ツイートしたこちら
写真のような感じが彫り留め

▲これはダイヤ同士の間隔について言ってますね。

全体の流れとして

A.ダイヤの同士の間隔を決める
B.ダイヤ同士からの中心距離を決める
C.点つけ
D.針で中心決め
E.下穴開け
F.上面処理
G.下穴処理(裏取りとか)

流れに沿って詳しく話していきます。

ダイヤの間隔について

石と石の間がほとんどないのが綺麗な彫り留めの定義です。

しかし実際には、例えば1/100のメレダイヤでそろえたとしても微妙に直径が違ったり、歪んでいたりします(ダイヤで言うカラットは重さなので)。
ですので、彫り留め時に調整が効くように余白も考慮しないといけません。

ダイヤが競ってると石留め時に割れる可能性が高いです

こちら職人側としては直径でダイヤを揃えた方が良いのだけど、ダイヤ屋さんめんどそうだしなーってなったりします。

そして、ヨーロッパではパヴェとかも間が空いているのはナンセンスとされています。
向こうは宝石がメインで地金部分がサブなニュアンスが黎明期からあるようで、石をいれるならしっかり入れるということなのでしょう。
日本は鍛金や工芸、例えば刀の鍔(つば)や根付とか象嵌(ぞうがん)系とか、色々地金の表現を得意とするので、ちょっとハッとする部分。

手作り、現物での設定時・液ゴムでの原型(収縮があまりない場合)

0.1~0.2mmに設定します。
僕は0.15mmくらいと微妙なことやっています。笑

計算がめんどくなるので0.1とか0.2でも変わらないと思います。

原型での設定 焼きシリコンゴムの場合

0.3mmで設定すると、キャスト上がりで少し収縮するので良い感じになっています。

お客様の都合上

お客様の予算やリフォームでの持ち込み石などを無理やり使ってくれって場合が結構あります。
いやー、大変。

その場合は彫り留めの際にナナコや丸毛彫りの感じで誤魔化す感じになりますので、
0.4~いっても0.5mmくらいにしておいた方が良いと思います。

予算なのか商品設計なのかわからないですが、1.5mmくらい間が空いてるのを修理で見かけたりしますが、すんごい間抜けな感じ。

余談ですが、
リフォームの場合、「せっかくお金をかけてやるのだから全体の価値、品物としての価値を落とさないようにこの石は使はない方が良いですよ」と説得することはよくあります。

全部入れたい気持ちはわかるんですけどねー。
きったねぇ石とか全体のデザインを損ねすぎる場合は、品物としての価値(現金価値とかではなくて)を落とすことになるのでね、と言いましょう。

ダイヤとダイヤの中心距離の出し方

▲上記のような感じ。
あんまり数学みたいに考えないで、中心と中心の距離を知りたいだけだから、石の直径の半分ずつと石の間隔を足すだけ

同じサイズの石であれば簡単ですが、だいたいサイズが変わってくるのでこのような感じで割り出します。

石の間隔についてはダイヤの間隔の欄にあった通り、用途や状態で変わってくるのでそれを足す感じになります。

真横からの考察について

▲彫り留めで留め上がりが、ダイヤのテーブル面と地金部分とが面一(つらいち)よりもちょっと出てる感じがよしとされています。
0.15~0.2mmくらい。

キューレットについて

出ない様にする

ダイヤのキューレット(真横から見て一番下)から地金の下までは0.5くらいはあった方が良いと思います。
仕上げや加工時の誤差などを考慮するためです。

基本的にダイヤの場合キューレットが出ているのは無しです。
リングの内径で出てたら、真円にするときとか修理のとき割れる時があります(ダイヤは結構無理が効くけど)。

そして、肌に触れるとこだったらケガの原因になるのでなしです。
ティファニーの一つ石のバイザヤードとか何してんの?って感じ。
そぎ落としたデザインがいいのはわかるけど、
デザインやコストを重視すぎて、ケガの元になったりすぐ壊れてしまうなど「売りっぱなしで後は知らん」の思想は嫌いです。

ペンダントのバチカン部分に彫り留めをする場合もキューレットが出ているとチェーンの傷や切れの原因になるので出ない様にします

出ても良い場合

リングで中石へのアプローチ部分であったり構造上肌に触れない部分はOK。

彫り留めされる地金の板厚について

ダイヤの直径の60%ぐらいがダイヤの厚みなので、ざっくり最低でもそれは以下はならん!と覚えておくとよいでしょう。

実際には1/100のダイヤだったら0.7とか0.8mmあれば留まるのですが、キューレット出さない感じで行くならそれに厚み分を足すという感じです。

曲面での設定時の注意点

▲こういった球体状や曲面に設定する場合は注意が必要です。
表面に点付け(後述します)しても実際は留まる時はダイヤが中心方向に寄ります。
上の図でいくと球体の中心に。
すると、

▲このように競ってしまい、割れる原因になるのでそれを考慮しなければなりません。
数値で出そうと思ったのですが曲面具合と石の大きさで変わってくるので、はっきりとが出せない感じです、すんません。

だいたい0.3~0.5mmくらいは正面より沈むと思います。
ということは表面での間隔をいつもより大きくしておくということです。
うーん、よくあるサイズでよくあるのは0.1~0.3mmくらい間隔をプラスかなー。
ほんとに石のサイズによります。

側面までの幅について

▲場合によりけりなんですが0.5mmくらいを基本とします。

例えば石の幅だけのリングの場合、
そして、リングの側面が真っ平らだった場合は、仕上げでスの処理とかで持ってかれるのを考慮して0.1~0.2mmくらい幅を増やしておきます
仕上げで通常より持ってかれそうだなと想定できる場所は幅を増やしておきます

穴あけまでの細かい流れ

下記は点付け以降の細かい流れ

1.マジックで点付け
2.針で中心決め(鈍角の超硬の針、ヘラなどがオススメ)
3.一回消してバランス見る
4.必要であれば丸カッター(スチールバーのことね)などで位置補正
5.最終の下穴径よりも細いドリルで下穴を開ける
6.必要であれば細長いカッターで穴を補正
7.最終径のドリルで開ける
8.表は三角のカッターでダイヤの径まで広げる
9.裏は丸カッターで面取り、丁寧や高級品はノコで裏取りをする

花びらの上に彫り留めなどフリー曲面に石を入れる時は点付けの作業が必須です。
しかし真っ平らな板に留める時は点付けはせず、
中心線を引いて工程の2から、ケガキだけで大丈夫です。

注意事項
後で仕上げが入らない事情がある場合は、面を出しておいたり最終仕上げくらいしておきます。
彫り留め時に鏨(たがね)が入らないからパーツしておく場合は、最終上げまでしておいた方が、ロー付け時に被膜がかぶりにくいです。

マジックで点付けについて

今まで説明した項目を頭に入れた上で、品物にマジックで点付けをしていきます。
マジックの細い方を使って丸く円を描き、中心を塗りつぶしていくイメージで円を書いていきます。
▼この細いバージョンが便利

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この工程は大まかな設定し、実際でどうなるかを試す感じになります。
やっぱり石をひと回り小さくしないと厳しい!とかがわかってくる工程ですね。
慣れてくると想定通りになると思います

最初、丸くかけなかったりしてすごく戸惑った工程です。
すんごいアバウトな感じなのに、精度がいるから職人技って感じ。
この時、中心線をけがいておいたりして、なるべく有利な様に進めます。

みんな工夫していて、シールを作ったり、ハンコみたいしてるのも聞いたことあるような…。
ジュエリーは複雑な曲面であったり、だいたいアールの曲線上に書くことが多いです。
マジックで点付けしていくのが、結論として速いとなりました

しょっちゅう書いたり消したりがあると思うので、ラッカーシンナーが便利。
▼ラッカーシンナーについては

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例えるならばイラストでいうラフの工程、ラフなんだけど超重要、これで全部決まる的な。

下穴をドリルで開けるについて

原型の場合はゴム型の型もち(インジェクションワックスを流すとき動かないようにする)をよくするため最低0.7mmくらいの径のドリルで通す必要があると思います。

僕は穴を貫通させるときは、
ゴム型やキャスト時を考慮して、だいたい0.8mm以上の径です。

原型じゃなくてもキャスト時、下穴が0.6mmはギリギリかアウトな印象です。

キャスト時に失敗の原因になります。
地金に石こうが食い込んで、でっかいスになったりしてえらいことになります。

なので、小さい径の下穴の場合
●キャストが可能な最低0.5mmくらいの厚みをのこして途中まで下穴を開け、キャスト後に貫通
●むしろ開けない
・例えば、小さい石の径の幅しかないリングの場合、開けると強度が弱くなる
・ダイヤは構造上、全反射だからなくても石自体の反射にそんな影響ない
・けど開けたい感があるのは、表面から食い込んだバフ粉がとりにくくなるからってニュアンス
・途中までドリルでやって底面は丸カッターでもむと型もち的に丁寧

小さいメレダイヤだったら、直径からだいたい0.6~0.5mm引いたくらいの径のドリルを使うと良いかなって感じです。
地金部分の強度のバランスもみて大きすぎるのも問題です。
単純に0.6を引くのではなくて石が大きい場合は、もっと数値を大きくしたのを引いてください。

1/200 Φ1.0下穴無しか0.6
1/100 Φ1.3 Φ0.7~0.8mm
1/70 Φ1.5 Φ0.9~1.0mm
1/50 Φ1.7 Φ1.1~1.2mm
1/30 Φ2.0 Φ1.3~1.4mm

表面の三角カッターでの調整について

▲こういうの 出展:シーフォース

スチールバーをカッターと呼ぶのが業界での通例!?わからんけどそう呼んでいるので、カッターって呼びます。

そして、実物の場合は上記の流れで良いのですが、
原型の場合、中間仕上げでダレるので仕上げ後に最終的にダイヤの径に合わせると丁寧です(必要性がある場合)。
彫り留めしちゃうのでそんな綺麗じゃなくても平気な場合が多い。

ドリルの角度をダイヤの角度に合わせて使うというのもありますが、彫り留め時の調整用にこの時点では詰めておかない感じになります。

ドリルは研いでいけるのでコストパフォーマンスよいです。
ちなみにカッターも三角のダイヤモンドヤスリで数回は研いで復活します。

裏側の面取り

丸カッターで下穴径より大きめので面取りします
留め上がりを想定して、しっかりとっておかないとバリの原因になります
大きすぎても間抜けなので、経験則になってしまいますが。

高額品などは糸ノコを使って裏取りをしたりします。
その際にはノコ引きで下穴がガタガタになるため、小さめの下穴にしといてあとで大きく開けます。

さいごに

以上が、彫り留め時の設定とやり方、考えなきゃいけないことでした。
思いつく限りのすべてをぶっ込んだつもりですが、また思いついたら追記しますね。

CAD関連の方も石の設定の機微は謎な部分があるんじゃないかなって、お役に立ちましたかね?

ジュエリー作りって色々な複雑な要素を先回りして考えておかないと、うまくいかないので大変ですよね。

でも慣れだと思います!

それでは、ご参考になったら嬉しいです!

すべてをまとめました

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