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今回はラッカーシンナーやベンジンについて。
「アクセサリー作りで何に使うの?」
「有毒性と実際に使い続けてどうなの?」
といった方に向けてお伝えしたいと思います。
現場の実際や、細かい機微をお話ししていきます。
有機溶剤を使う用途
▲ニッペのラッカーうすめ液。
こちらは僕がよく使うやつ。
●マジックで印をした時に消す時
●脱脂作用があるので油分をとる時(指の油を持ってかれるのでカサカサになるかも)
●指輪の内側など、化粧品由来の汚れは有機溶剤に漬け込む→容器ごと洗浄機で綺麗になる
●松ヤニなどで固定した時ついた、松ヤニを漬け込んで落とす
主だったのはこんな感じでしょうか。
裏技!?は乾いたマジックの先に塗って復活させるとか。
ラッカーシンナーとは
シンナー (paint thinner) はラッカー、ペイント、ワニスなどの塗料を薄めて粘度を下げるために用いられる有機溶剤である。「うすめ液」とも呼ばれる。英語 thin は「薄める」を意味する動詞である。独特の臭いを持つ。
出展:wikipedia
有機溶剤で中性です。
ホームセンターなどでペンキのうすめ液コーナーに売っています。
ジュエリー製作でよく使うのは、油性のペンキを薄めるペイントうすめ液ではなく、ラッカーうすめ液です。
もろ揮発性な物なので火気厳禁です。
最近スプレー缶の爆発事故が多いですが、密室空間で多量に使うと危険なので換気をよくしましょう。
有毒性
良いか悪いかで言えば、体に悪いです。
その中でも体に優しいのを使っています。
上記のラッカーシンナーは危ないトルエン・酢酸エチル・メタノールが含まれていないものになっています。
ホームセンターなどで色々売っているのですが、
一応、後ろの含有成分でトルエンが入っていないのを確認してみてください。
業界では広く使われているので今回おすすめしようと調べなおしたのですが、逆になるべく日常的に使わない方が良いという結論になりました。
長期的に使う事を考えたとき、皆さんの健康を考えるとやはり良くありません。
日常使いは除光液にしましょう。
僕は10数年ラッカーシンナーをメインに使ってきましたが、漬け込んで使う用途以外は見直そうと思います。
ちなみに参考までに、50年選手の師匠たちはラッカーシンナーによる影響は無さそうです。
ただ、効きの強さやベンジンより揮発しにくいなど作業性の良さもあるので、まったく使わないわけじゃなく使い分けたいところです。
その点について後述します。
ラッカーシンナー使用時の注意
ラッカーシンナーを使う時の対策としては、よく換気しながら使います。
室内であれば窓を開けたり、換気扇を回したりしてみてください。
本格的なマスクじゃないと透過するのであまり意味はないと思います。
ですので特に換気に気を付けてみてください。
日常使いは除光液
日常使いは体のことを考え、まだライトな除光液をメインに使っていくと良いと思います。
●しっとり成分で白くなる
このネックなところが影響する場合はラッカーシンナーを使うなど、場面で使い分けたら良いと思います。
除光液はしっとり成分が入っているのが多いので白くなったりしますが、よく拭いたりすれば大丈夫だと思います。
移し替える容器
▲このような容器に入れています。
もともとはフラックスが入っている容器でした。
中のフタが密閉できるようになってるのですが、そこに穴をあけておきます。
ティッシュをあてがって逆さにし、適量しみこませて使っています。
▲容器だけも売っていますね。
ポリエチレン容器において
プラスチック容器類で油性塗料、ラッカー系塗料、シンナーを保存する場合は1週間以内としてください。(長期間保存すると容器が変形したり、中の溶剤が蒸発することがあります。)
出展:https://www.asahipen.jp/products/view/18283
▲とありますが、容器が白くなる点と割れたりしたら交換してます。笑
印象としては16年やってて1~2回取り変えた感じです。
▲こういうのもあって、片手で押して液体を出す便利なのもあります。
こちらは蓋付きで揮発性の液体を入れるのに便利。
ラッカーシンナーの処分の仕方
使い終わったうすめ液は、そのまま排水口などに流してはいけません。排水を汚染し、有機溶剤が排水パイプにダメージを与えてしまうこともあります。そのまま流してしまうのではなく、新聞紙や布に染み込ませて普通ゴミとして処分すると良いでしょう。
二重にしたゴミ袋などにちぎった古新聞やぼろ布などを入れます。そこにうすめ液を染み込ませます。ビニール袋がうすめ液で侵されないように新聞紙やぼろ布は十分に用意してください。うすめ液を染み込ませることができたら、しばらく袋の口を開けた状態にします。そのまま風通しの良い屋外に置き、しっかり乾かして溶剤を揮発させてしまいましょう。
完全に揮発したらゴミ袋の口を閉じ、そしてそのまま普通ゴミとして処分してください。ただし、地域によってはうすめ液の処分方法が異なる場合があるので、お住まいの自治体に確認してみてください。
他の処分方法として、油性塗料やうすめ液を処分するための専用のアイテムなどもあります。食用油を処分する凝固剤と同じように、古い塗料やうすめ液に加えると凝固し、そのまま普通ゴミとして捨てられるというものです。ただし、こういったアイテムを使った処分に関しても、地域によっては認められていない場合もあるので、正しい処分方法は自治体に確認するのが確実です。出展:https://diyclip.roymall.jp/tool/1282158
ベンジン
ベンジン (benzine) は、原油から分留精製した揮発性の高い可燃性の液体であり、主として炭素数5 – 10のアルカン(飽和炭化水素)からなる混合物である。揮発油(きはつゆ)、ナフサ (naphtha)、ガソリン (gasoline)、石油エーテル(せきゆエーテル、petroleum ether)、リグロイン (ligroin) などとも呼ばれるが、用語の使い分けは添加剤や用途、地域によって著しく異なっている。日本では概ね、分留で得られる半製品をナフサ、燃料用途のナフサをホワイトガソリン、内燃機関用にナフサを接触改質しオクタン価を調整した物をガソリン、軽質ナフサから作られ懐炉や溶剤などに用いられる物をベンジンと呼ぶ慣行がある。
出展:wikipedia
ベンジンは薬局・ドラックストアなどで売っています。
ベンジンはプラスチックにも使えるので普段の掃除にも便利です。
つまりプラスチックを傷めない(やるときは一応目立たないところで試してください)という感じです。
よくシールはがしのスプレーとかありますがこちらがよく使われています。
除光液もベンジンの感じにに近いです。
ベンゼンと名前が近いですがベンゼンはかなり有毒なので気を付けてください!
関係ないですがこの手の話で、エタノールとメタノールの名前が近いですが、メタノールは飲んだら少量でも死んでしまうので注意が必要です。
メタノールの“メ”は目が失明しちゃうのメと覚えましょう。ダメ。
さいごに
▲すべてをまとめましたので、よかったらチェックしてみてください!
有機溶剤はよく換気して使うのを心がけてみてください。
適切に使えば便利で、綺麗な作品、作品のクオリティーを上げることにもつながるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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