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今回はパールの接着について。
「パールの接着のやり方は?」
「パールの接着のコツは?」
「接着されたパールの外し方は?」
といった方に向けてお伝えしたいと思います。
パール系も超高額品の物を作ったりしてるので、そういった高額品にも通用する、細かい機微や現場での実際をお話していきます!
アクセサリーパーツのパールの接着
▼アクセサリーのハンドメイドをやられている方は、下記のようなパールを台に接着したいといった感じでしょうか?
シンプルにくっつけるだけの接着をお話しします。
準備
接着面の油分や汚れをとって無くしておきます。
こういったパールは薄いコーティングや謎加工がされてることが多くあり、ラッカーシンナーやベンジンなどで油分をとる処理はしない方がよいです。
アコヤ・淡水パールなどの本物のパールはラッカーシンナーで処理しても大丈夫です。
接着
▼接着剤と扱い方について、こちらに詳しく書いてあるのでご参照ください
こんにちは! ジュエリー職人のクリエイターT(@Creator_Tweet)です。プロフィールはこちら ハンドメイドアクセサリー・ジュエリー製作で使う接着剤について 「パールを接着したい」「接着剤の種類がたくさんあってどれを[…]
接着剤の量はサイズや場面によって変わってきてしまいますが、だいたい米粒大の大きさを目安にします。
2.母材の方に接着剤を塗る
3.パールをくっつける
4.はみ出た分を拭き取る
ティシュや綿棒を使って拭き上げます。
その際、ティッシュはそのままか、つまようじに巻いてトガらせて拭くと便利です。
はみ出た分は乾かない内に拭き取るのがコツです。
乾き始めてから拭き取ると、接着面が白く濁ってしまいます。
また、早く拭き取ることによって、表面張力を生かしたきれいな水面のような接着ができます。
また、偽物のパールはコーティングがとれるのでラッカーシンナーや除光液を使う時は要注意です。
▼接着前の珠合わせ
▼表面張力を生かしてきれいに接着する
本当のパールの接着の仕方について
方穴パールに接着するときは芯の立っている母材に接着します。
本物のアコヤパールなどを接着するときはこんな感じです。
▼中身を透けさせた状態
先ほど説明したアクセサリーパーツの接着は自由度を高め、サイズをあまり気にせず気軽に作れるというところが良い所だと思います。
しかし、高級品であるジュエリーのパールの接着において、そのまま芯の立っていない母材に接着ということはしません。
芯が立ってないとパールがすぐ取れてしまうからです。
▼母材に芯
しっかりパールを接着するやり方
●珠合わせ
パールと母材がしっかり合ってないとしっかりとした接着はできません。
すり合わせがしっかりしてないといけないのですが、細かく言うと0.2mm以内の誤差とかでしょうか。
そこまで気にしなくても通常は良いです。
●芯の長さ
この芯なのですが、しっかり接着しようとした場合、パールのだいたい2/3くらいまで芯がくるようにしましょう。
●芯とパールの抵抗感1
珠合わせ時に確認することとして、取り外したりする時にすぽすぽな感じではなく、芯とパールに抵抗を感じるようにします。
その時の調整法として、芯を少しヤットコで潰して幅を出し抵抗を増やします。
▼ヤットコの使い方
T こんにちは! ジュエリー職人のT(@Creator_Tweet)です。プロフィールはこちら 「力加減はどのくらい?」「使い方のコツは?」 といった方に向けてお伝えしようかと思います。 プロが選ぶおすすめヤットコについてはこちらの記[…]
●芯とパールの抵抗感2
あと、あまりにも細い芯かパールの穴がめちゃめちゃ大きいときは、芯をくの字に曲げて抵抗を生み出すという方法があります。
なるべくこんな状況がないと良いのですが、こういったケースがある時はあります。
●芯とパールの抵抗感3
後述しますが、外すことを視野に入れないといけません。
しかし、ほとんど外れない方法として、芯にメスで返しをつけるという方法もあります。
イメージはナイフで鉛筆を削るみたいにパールを抜こうとすると引っかかる方向に、ささくれを作るという感じです。
パールを入れるとき、ささくれのバネりによって抵抗もでます。
良いことづくめに聞こえるかもしれませんが、これはほんとに抜けなくなるのでおすすめしません。
メンテナンスや強度が視野に入ってないジュエリーは作るべきではないですからね。
一応、裏技として言っときます。
●拭き上げ
本物のパールは、ラッカーシンナーを用いてのティッシュ拭き上げも大丈夫なので、よりきれいに接着することができます。
ちなみにラッカーシンナーにパールを漬けるというのはダメです。
ラッカーシンナーは揮発性がすごいので一瞬適用するのは大丈夫というニュアンスです。
パールと芯の太さのバランスについて
だいたいパールの径が7.5~8mmの時、芯は0.9~1.0mmにすると良いです。
接着時にパールをセロテープで固定
珠芯がある場合、
中の空気がどうしても抜けなくて反発、スキマが空いてしまう場合があります。
そういったときはセロテープでパールと金具部分を固定して硬化させます。
パールの接着を外す時のやり方
接着をした時は、まさか外す日が来るなんて思いませんよね。笑
しかし実際はメンテナンスや修理、リングのサイズ直しでどうしても外さなきゃならない時など結構あります。
注意点なのですが、貴和さんやユザワヤさんで売っている、本物ではないパールは原則外せないと思っておいてください。
表面のコーティングがとれてしまいます。
ですので、今から紹介するのは本物のパールのみとなります。
あと、この工程によって生じた破損につきましては責任を負いかねますので、あくまでも自己責任ということでお願いします。
しっかり付けたいときは外れて、外したいとき外れない現象は、世の常でございます。
外す時のキーワードは熱と薬品と気合いです。
パールを熱で外す1「お湯で煮る」
本物のパールであれば熱湯で煮て接着を柔らかくして、スポッと取ります。
だいたい煮始めて5~10分程度でしょうか。
僕は蒸発皿のでっかいので煮ています。
●蒸発皿の場合、注意点として蒸発皿の周り(外側)に水滴が絶対についてない状態で煮る(速攻割れるから)
●必要以上に熱をかけないに越したことはないので、細かくチェック
●外すとき、木のピンセットを使う。
作り方は下記参照。
●お湯がなくなるとパールが丸焦げになるので注意
追記:外すのに便利「竹のピンセット」と調整方法
●流れとして
1.ピンセットの先端を切る
力が加わりやすいようなる、腰がでます。
2.内側を丸カッターで削る
リューターが必要なのですが、丸い形状の削るやつを使います。
その際には図Bのように挟みながらやると、ちょうど上下同じ位置につくから良い感じ。
ブーンと滑らすとエッジが吹っ飛んで台無しになるので、少し小さい径から始めましょう。
●手入れ
丸カッターで削ったときの角が死んでくると、すべって掴みづらくなります。
その際にはもう一度削るか、ばっさり切って最初からやるのが良いです。
木のピンセットはパールを傷つけないのでかなりオススメです。
パールを熱で外す2「真っ赤にあぶったピンセットで」
バーナーなどでピンセットを真っ赤にあぶります。
熱いピンセットで母材をつかむことによって熱を伝え、接着剤を柔らかくしてパールをとるというやり方です。
このときピンセットがパールに当たらないように注意します。
パールを薬品で外す
瞬間接着剤用 剥離剤に漬けて外します。
においが結構あるのと、漬ける前に目立たないところに塗ってみてテストしてください。
だいたい一晩漬けといたら外れますが、外れない時もあります。汗
なので外れない時はいろんな角度から攻める感じになります。
パールを気合いで外す
せっかくお湯とかで頑張ってちょっと外れてきたのに、芯がねじ切れてしまう時があります。
うおー!!!!ってなります。
そんな時は、ねじ切れた部分を少し平らにやすり、芯よりも小さい径のドリルで芯を取り除きます。
あとは最初から開き直って、ねじ切ってドリルで攻めるのもありです。
さいごに
▲すべてをまとめましたので、よかったらチェックしてみてください!
安価なパールはコーティングがくせもので注意点が多いのですが、適宜対処していけば大丈夫です!
逆に安価なパールの取り扱いの方が難しいかなって印象ですね。
ご参考になったらうれしいです!