ジュエリー職人のT(@Creator_Tweet)です。プロフィールはこちら
今回はビジューの石留めについて。
「石留めの流れがわからない」
「石留めはどうやってやるの?」
といった方に向けてお伝えしていきたいと思います。
また今回【極める】と冠してますので、クオリティアップにつながる石留めについて現場の実際や、細かい機微を踏まえてお話ししていきます。
石留めの流れ
貴和さんやユザワヤさんに売っている石枠に石を留める時の内容をお話していきます。
本格的なジュエリーの石留めについてはまた後日記事を書きますね。
買ってきたパーツにて石留めをする場合はそんなに難しくなく石留めをすることができると思います。
●対角から留めていく
●石動きがないかチェック、検品
順を追って説明していきます。
ビジューをセット、対角に留める
ビジューをセット
▲石枠にあった石を用意するか、石に合わせて石枠を用意します。
参考までに、ジュエリー作りでは石に合わせて石枠を作っていくことが多いです。
この時、超高額品やかなりクオリティを高めたいときは、ダイヤのテーブル面(一番上の部分のところ)の四角の角を四本爪の各々にあわせます。
その他に僕が高額品の物のクオリティを見るところは、石と石の間隔、石のガードル(横から見て一番出っ張っているところ)と石枠が平行になっているかを主なチェックポイントとして見ています。
何千万、何億単位のものはきちっとこの辺やってます。
けれど、セレブ御用達のダイヤといえばここ!のブランドの婚約リング(300万くらい)で、テーブル面の四角と爪が揃ってなくてがっかりしました。
たぶん知っててやってないか、指揮系統がうまくいってないんだろうなって思いました。
対角線に留めていく
ヤットコを使って留めていきます。
▲対角に留めていきます。
これは極力、ガードルと石枠とが斜めにならない様にする為です。
▲このような感じに平行になるように。
ガードル辺りから倒れる様に爪を倒していきます。
▲最初、このようにヤットコで対角に倒し、詰めていくのも良いです。
▲このように倒していくやり方もあります。
下に厚紙を敷いて傷つかない様にして留めていくとより丁寧ですね。
爪の上の方はヤットコの腹の方で倒していくイメージです。
ですが、そんな傷つかない等や気にならない場合は厚紙無しでも全然オッケーです。
だってめんどくさいですもん。
石留めの注意点
このとき石枠のバネりによって、そのまま倒しただけだとピッタリと石にフィットしない場合が多いと思います。
このバネりの話は丸カンのところで触れました▼
クリエイターT こんにちは! ジュエリー職人のクリエイターT(@Creator_Tweet)です。プロフィールはこちら ジュエリー・アクセサリーをハンドメイドされる方はよく丸カン(丸い輪っか)を閉じる機会が多いと思います。 「丸カンの[…]
▲普通に倒してこのようになれば一番ベスト
▲しかし、このように間が空いてしまったりしていませんか?
この間が空いていると、洋服がひっかかってしまったり、手で触って痛い感じがする原因になりますので注意が必要です。
作品のクオリティを謳う場合には、きっちり抑えておきたいところです。
ちなみに石留め時は、ルーペで確認しながら留めていくのが基本となります。
上図のように爪を倒して持っていき、そのあと力を加えるベクトルを変えて石にピッタリ沿わせていきます。
▲ちょっと極端な例かもしれませんがこのような感じにします。
ある程度倒した後、矢印の方向から力を加えていき石に沿わせます。
▲この石留め時、こんなのがあると便利です。
これは、普通の時計ヤットコを改造してこのような形状にしました。
●石枠と石を平行に留めやすい
●時間短縮になる
横から倒していく力のベクトルから真上の力のベクトルへ、スムーズに移行できます。
オススメです。
石動き、検品
石留めが終わったら、つまようじなどを使って石が動いているかどうか検品します。
この工程は全部作品が完成してから、まとめてすべての検品個所をみると効率が良いです。
ルーペを使って検品していきます。
クオリティアップ
ハンドメイド作品を作って、フリマアプリやオンラインストアで販売されている方も多いと思います。
すべての商売の基本なのでは?と思っているのが
お客様数 × 単価
であると思います。
飲食ではお客様の回転率やら、高級店ではお客様が少なくても単価が高いからやっていけるとか色々ありますよね。
このアクセサリーの販売では単価のアップには限界があるとは思いますが、なるべく単価を上げて、売上げを伸ばしたいところです。
石動きのない、石とれのない作品を作ることなどによってクオリティアップを図り、根拠があり裏付けのある状態での単価アップが望ましいと思います。
さいごに
爪が浮いていると引っかかりの原因になる、最初は小さな石動きでも使っていくうちにどんどん石動きが大きくなっていきます。
イメージは石が暴れて、爪を広げてく感じですかね。
こうなると石が取れちゃいますので、気を付けたいところですね。
ご参考になったらうれしいです!
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